新聞と週刊誌 2011 6 11
新聞と週刊誌は、セットで読まないと意味がない。
新聞は、上品な記事を心がけ、優等生的です。
その結果、どの新聞も、似たような内容(横並び)となっています。
だから、新聞同士でケンカをするようなことは、めったにありません。
これを評して、口が悪い人は、
「まるでソ連時代のマスコミと同じである」と言っています。
その点、「言論の自由」がある週刊誌は、自由気ままです。
だから、週刊誌同士でケンカをすることは、しょっちゅうありますし、
時には、みんなを驚かすような記事も書きます。
しかしながら、言論の自由があれば、これが、本来の姿だと思います。
私は、時々、思うことがあります。
本来、新聞記者は、自由を求める気持ちがありますから、
ソ連のような新聞社に息苦しくなって、
新聞記事では書けないようなネタを系列の週刊誌に書いてもらっていると。
そういうわけで、私は、週刊誌各誌をチェックしています。
ただ、日本の週刊誌は、
ヌード写真などが掲載されていて嫌だという人もいるでしょう。
そういう人は、フリーのジャーナリストのメールマガジンを
購読するという方法があります。
たとえば、「週刊メールジャーナル No.586」は、このように書いています。
(以下、引用)
「最大の原因は、事故直後にヘリコプターで現地に飛び、
すべての作業を遅らせた菅首相にある。
官僚も東電も信用せず、事故発生時に行ったのは、
母校の東工大卒業生名簿を夫人に持ってこさせ、
OBを次々と参与にして、にわか勉強、指揮を取ろうとした。
ベントを指示しながら、ヘリで現地に飛ぶ。
放射線を撒き散らすベントは、菅首相の到着まで待つのが当たり前。
つまり、その分、作業は遅れたわけで、
一国の首相でありながら、官僚を信用せず、
逆に官僚を敵にすることで国民的喝采を得ようとする愚を犯した。
こんな首相に従う官僚はいない。
現場以外の「東京の関係者」の頭の中にあるのは保身だけ。
(以上、引用)
それでも、「週刊メールジャーナル」の記事は、いつも紳士的な部類であり、
週刊誌は、もっと、すごいものがあります。
日本の世論が、「上品で優等生で、かつ横並びの新聞」によって形成されるとしたら、
あなたは、どう思うでしょうか。
いつか来た道 2011 5 7
日本は、戦前、どの報道機関も、戦争を賛美し、
結局、太平洋戦争へ突入していきました。
現代においても、似たようなことが起きています。
昨年、菅首相が、唐突に消費税増税を言い出した時、
多くのメディアも、概ね「そうだ、消費税増税が必要である」という論調でした。
これは、極めて不自然でした。
まるで中国のように情報統制があるのではないかと疑わざるを得ないのです。
これほど多くのメディアがあるのです。
A紙は、財政再建のために、ぜひとも消費税増税が必要、
B紙は、さらに不景気になるから消費税増税反対、
C紙は、消費税増税よりも行政改革が必要であるなど、
いろいろな意見が出てくる方が、自然だと思います。
今後は、活発な議論を期待しています。
日本では、まともな議論もせず、
いつの間にか、その場の雰囲気で物事が決まってしまう場合が多いと思います。
しかし、これでは、戦前と同じです。